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【漫画】「蜜の島(1)」不気味さの演出が絶妙。本格的な謎解きか!?

※当然のことながらネタバレを含むので、未読の場合には閲覧に注意されたい

 

 

確かKindleストアをだら~っと見ているときに見つけた。

 

ざっくりしたあらすじとしては…

舞台設定は、太平洋戦争後間もない時代の日本。

 

「石津島」と呼ばれる、ほとんど誰にも知られていない、「存在するはずのない島」を目指し船に乗る若い男「南雲」と、石津島が出身だという「ミツ」と呼ばれる少女、そしてそこに同乗している、やたらと目つきの鋭い内務省の公務員「瀬里沢」の三人が主人公といっていいだろう。

 

船は何もない海上で停戦し、島からの手漕ぎ船に乗り換えて向かうしかないという異常な事態に困惑しつつ、3人は島に上陸する。上陸した三人を出迎えたのは、南雲の同僚の「今村」だった。

 

今村に頼みミツの家を探す南雲だったが、今村によればミツの家は島に存在しないという。

 

しかし、村民の一人はミツの名字「サキタ」の家を知っているという。案内通りの家にたどり着いた三人だったが、そこで目にしたものは、ミイラ化した住民の遺体、そして奇妙なのは、そのミイラの近くにはつい最近作られた「食事」が置かれていたことだった…

 

絶妙な不気味さと読者に想像をかきたてさせる展開

 

これはあくまで1巻読了時点での感想。

 

 

この漫画のおもしろさとして、「島=閉鎖空間」という環境設定は欠かせない。

 

ただまぁ、こういう「島=閉鎖空間」の設定が根底にある創作って、「おぞましい風習」とか、「その島だけの怪奇現象」みたいなのがテーマになりやすい。

 

まぁカルト宗教みたいなのが後ろにあったりする。そんで、島民の「おぞましさ」が割と早い段階で明かされるから、途中からは謎解きとかではなく、サイコスリラー側に寄る。「ガンニバル」とかはわりとその路線じゃないかな。カルトっぽさはないけど。

 

ガンニバル 1

ガンニバル 1

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「蜜の島」にもそういう要素があるのだけど、この第1巻を見る限り、いまだ「犯人」は明かされていない。また、伏線の張り方がうまいなと感じる。「なぜそうするかはわからないが、おそらく彼らなりの理由・理屈があるんだろう」という納得感がある。また、「あ、この描写は謎解きに重要なんだろうな」ってコマもある。

 

言葉は通じるし、一見すると島の外の人間である今村や南雲にも笑顔で接してくれる島民たちだが、おそらく絶妙に何かが噛み合ってない。だからこそ感じる不気味さが、この漫画の魅力だ。

 

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謎解きがどう進行していくのかが見どころ

 

登場人物についてだが、おそらく主人公格であろう南雲については、ちょっとイライラするかもしれない。瀬里沢に「甘ったれ」と罵倒されるのも無理はない。どっちかっていうと現代っ子っぽい印象を受ける。これで従軍経験者というのだから驚きだ。

 

瀬里沢と今村は「内務省」の役人であり、警察官ではない。まぁ一応警察行政も管轄ではあるけど。そしておそらくだが、この島に警察官はいない。瀬里沢がこの島に来た目的や、今村がここに駐在していた理由はまだ明確に明かされてはいないが、内務省は地方行政も担当しているので、現在で言うところの市役所の分庁舎もしくは派出所みたいな役割を今村が担っているのだろう。

 

瀬里沢は考察も鋭いし頼りになりそうなタイプ。今村は作中で何者かによって殺害されてしまうため、おそらく謎解きを進行していくうえでは瀬里沢が主役になっていくのだろうなと思うのだけど、1巻の最後には携行していた拳銃を奪われてしまう。これで瀬里沢は、丸腰でこの殺人事件と向き合わなければならなくなった。

 

今後、謎解きがどのように進行していくのか楽しみな1巻だった。

 

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