やまねこのたからばこ

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【映画】「2012」(吹替版)はなかなか壮大な終末スペクタクル映画だった

※当然のことながらネタバレを含むので、未視聴の場合には閲覧に注意されたい。

「地殻変動による地球滅亡」というテーマは、いままであまりなかったように思う。

 

 

惑星直列とグランドクロスって同じかと思ったらけっこう違うらしい。この映画で描かれているのは惑星直列のほうか。じわじわと人類が追い詰められるというよりは、一気に終末が訪れるという展開は、ポスト・アポカリプスの映画のなかでもより絶望感を高めてくれる。
 
 
まぁあとは、既存の災害対策は「インフラの破壊・使用不能」までは想定されていても、「大地そのものがめくれ上がる」ことについてまでは検討してない。当たり前だけど。そうすると、基本的に現代の都市や災害対策・避難計画なんぞはこの災害が現実になったらまるで役に立たない。たぶん地下に通路や地下鉄を持ってる街なんかは一発で終わるだろう。
 
安全のために作った地下シェルターに入ったら、二度と出てこられないみたいな展開になりそうだ。なんなら宇宙ステーションとか、ヒンデンブルグ号みたいな超高空を長時間飛べる飛行船が一番安全みたいな話になってくる。
 
船の上も考えたが、津波があるから(客船流されたし)…と考えると、潜水艦はどうだろう?地殻変動が起こったとき、潜水艦深度って海流の影響とかどうなんだろう。せいぜい500~600mぐらいだから、津波が起こったらめくれ上がってしまうだろうか。どのみち数人~数十人ぐらいしか乗れないだろうけど。

 

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息を飲む、という表現がぴったりのアクション・脱出シーンもよく描かれている。車で今まさに崩壊していく街を駆け抜けていくシーン、飛行機での脱出シーン、強制着陸シーン、爆発、爆発、また爆発…みたいな、これでもか!っていうアメリカ映画っぽさ。あと主人公が家庭の問題(奥さん・子どもとの不和)を抱えているのもこの手の映画っぽい。奥さんの不倫相手は意外と良いやつだった。
 
最後まで見てみて、まぁなんで箱舟が建造されていた中国のあの場所だけが映画終盤まで地殻変動の影響を受けなかったのかとか、実はヒマラヤ山頂とかそれクラスの山の上に避難所があったらワンチャン助かったんではとかいうツッコミどころはあったけど、おおむねよかったかな。
 
実際の世界にありそうな要素として、「船に乗らない者」の描写がよかった。アメリカ大統領は多少美化されている感じはあったけど、まぁそれはいいとして。イタリア大統領は、バチカンを擁する国だから祈りにすべてを捧げるというのも、らしいといえばらしいか。いや、どうだろう…ローマ法王ならわからなくもないけど。この映画では描かれなかったけど、日本の総理大臣ならどういう経緯で決断したのだろうか。

 

生き延びようとするのが潔いのか、それとも黙って滅びを受け入れるのか。どちらが正解というものでもないけれど、個人的には日本の首相には、日本人としてどうあるべきかを考えてほしい。とはいえ、生き残るためにはチケットが必要で、そのチケットを得るということは誰かの生存を諦めさせるということになるわけで…。
 
自分ならどうだろう?ジタバタしても助からないことがわかっているのだから、家族と一緒に過ごしたいと思うかな。終末の世界の様子を記録して最後の一瞬まで発信し続けたいという気持ちもなくはないけど。見る人いるんか、それ。
 
助かる人にも助からない人にも、大切な人との別れは訪れる、それが終末というものなのだなという実感がある映画だった。