※当然のことながらネタバレを含むので、未視聴の場合には閲覧に注意されたい。
Xの映画アカウントさん方が絶賛していたので気になっていたやつ、とうとう見た。
ざっくりとしたあらすじとしては…
医療技師の「ライアン・ストーン博士(演:サンドラ・ブロック)」が、スペースシャトル「エクスプローラー号」で船外活動をしているという状況から映画はスタート。
「マット・コワルスキー(演:ジョージ・クルーニー)」や「シャリフ(演:ファルダット・シャーマ)」らとともに船外活動を行っていたのだが、その最中、ヒューストン管制から緊急避難を指示される。その理由は、ロシアが自国の人工衛星を破壊し、他の人工衛星も連鎖的な破壊が行われたために、膨大な量のデブリが発生したため。(ケスラーシンドローム)
急ぎ作業を中断して船内に退避しようとしていたライアンらだったが、退避は間に合わなかった。
「エクスプローラー号」は主翼にデブリが衝突し損傷、シャリフは顔面にデブリの直撃を受け即死してしまう。
ライアンは宇宙空間に投げ出されてしまい、現在位置も見失ってしまう。
その後なんとかマットとの合流を果たしたライアンだったが、エクスプローラー号はすでに大破、他の乗組員も全員死亡していたために、二人は船外活動ユニットのわずかな推進力だけを頼みに「ISS(国際宇宙ステーション)」を目指す…というもの。
スポンサーリンク(広告)
宇宙はホモサピには早すぎたんだよ!
宇宙ってスゲー、って、宇宙にちょっとでも関心ある人なら思ったことはあると思う。
そもそも距離感がバグってるよね。遠すぎって意味で。
目標物と目標物の間が開きすぎてる。たとえば地球からおそらく一番近い「月」で考えて見ると、普段走ってる姿を見て「すげー、はえー」って思ってる新幹線(時速300km)でも約53日かかる。マジですかって感じ。
ちなみに同じ速度で太陽まで行こうとすると57年かかるらしい。いや57年て。
そして1光年の距離が9兆5000億kmらしい。もうわけわからん。
おまけに空気がない。つまり人間はそこに生存状態でとどまることもできない。宇宙線だとか太陽フレアだとかで目に見えない影響もある。そんな中で船外作業とか厳しい、厳しすぎる。
まぁ、だからこそロマンがあるのだけれども。
希望は必ず自分の中にあり、自分の中にしかない。
さて本題。
この映画、基本的にメインの登場人物は2人だけ。ライアン・ストーンとマット・コワルスキーだ。だけど、※ネタバレ※ マットはISSには到達できず宇宙空間に放り出されてしまうので、実は「映画で描かれている内容とは異なり、中盤からはライアンただ一人の映画である」ということ。
退避先のISSにデブリが衝突し、生還を諦め酸素供給をカットし眠りに就こうとしたライアンを励まし、慰めたマットの姿は、はっきり言って「本当にマットが生還したのでは?」と思わせるほど自然な登場だった。
やまねこが見ていて「あっ、このマット、幻覚だな?」と思ったのは、ライアンの置かれている困難な状況に対して具体的な指示ではなく、「必ず希望はある」と抽象的な励ましを送ったこと。
ライアンが幻想で生み出したマットなら、「マットらしいこと」を「マットらしい人」が言うのは頷ける。
ただそれだけではなく、希望を見出すような言葉を紡ぐ幻想であるのなら、それは実はライアン自身が、本当は希望を捨てたくないと感じているからだろうし、実は希望を捨てていなかったとも読み取れる。ここすごく良いシーンだった。
たった一人で困難に立ち向かう強い女性
ライアンが映画の中で見せたのは、おそらく「普通の人なら途中で諦めるか、下手を打って死亡してしまうだろう」という困難に対して、ときに絶望に負けそうになりながらも必死に立ち向かう姿。
酸素の欠乏、推進力の不足、一定時間ごとに訪れるデブリの衝突、地上との連絡途絶、機器の故障、言語の壁…と、どう考えても「どうしようもない」「手詰まり」「お手上げ」な状態から、なんとか生還を目指そうともがく女性の姿として、やまねこが最初に思ったのは「Nowhereっぽい」ということ。
宇宙空間における事故や困難を描いた作品としては、「アポロ13」が有名で、あれはあれでもちろん見応えのあるいい映画。
なのだけれど、「プロの仲間同士の助け合い」と「たったひとり」とではやっぱり手に汗握る感覚が違うよなぁ。映画として見るならね。
スポンサーリンク(広告)
映像・音楽も最高によかった
あと印象に残ったのは、映像と音楽。この映像はとにかくでかいディスプレイで見た方がいい。間違いない。印象が全然違う。
それと音楽だ。ライアンが中国の宇宙ステーション「天宮」に到着し、宇宙船「神舟」で大気圏に突入するときに流れた音楽(サウンドトラックでの曲名「Gravity」は、本編の展開と音楽がハイパーマッチしていてめちゃくちゃアツい。比喩表現抜きに汗をかくし、顔の筋肉が意思と無関係に口の両端を釣り上げる、それぐらいアツい。
ちなみにこれほどBGMでアツくなる感覚を味わったのは、バンダイナムコのゲーム「ACE COMBAT 7:SKIES UNKNOWN」のBGM「Deredevil」を聞いたとき以来。
結論
点数なんぞつけるのはおこがましいが、10点満点なら10点。100点満点なら100点。1000点満点なら1000点。文句なし殿堂入りの最強映画だ。
宇宙好きもそうでない人もぜひ見てほしい。