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【映画】「ジーサンズ はじめての強盗」 ジーサン主役で面白くない映画は存在しない説

※当然のことながらネタバレを含むので、未視聴の場合は閲覧に注意されたい。
もうタイトルからして「コレぜったいおもしろいやろ」って思って見たらやっぱり面白かった。
レビューは賛否両論らしいがそんなことは気にしない。
 
 
主役となるのはジョー(マイケル・ケイン)、ウィリー(モーガン・フリーマン)、アルバート(アラン・アーキン)の3人のジーサン。
 
3人は鉄鋼会社に勤めていたのだけど、その会社が買収されてしまったために企業年金の振込が停止されてしまい、住宅ローンが返せず銀行に行って交渉することに。
その銀行で銀行強盗が発生、3人はその現場を目撃することになる。
 
やがて、振込が停止していた企業年金がとうとう支払われない公算が高くなった。
ジョーは家のローンの支払いが延滞することになり、家が取り上げられそうに。
ウィリーは重症の腎不全で、移植が必要な状況…など、それぞれもはや「のっぴきならない状況」。
 
 
そこで3人は銀行を襲撃して、自分たちのもの(企業年金)を取り戻そうという強盗計画を立てることに…というストーリー。
 

 

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ジーサンだからこその「もどかしい」失敗が笑いを誘う

 
銀行強盗なんて、もちろん簡単なものじゃない。そこで3人はまず本番の前に「肝試し」と称して近所のスーパーで万引きを目論む。
 
しかしこれは完全に失敗。ジーサンだからこその「うまく行かなさ」が、見ている側をハラハラさせて笑いを誘う。このあたり、コメディとしても非常に出来が良い。
 
その後3人は、本番の銀行襲撃に向けてプロの犯罪者である「ヘスース(ジョン・オーティス)」に手口を教わることに。
 
アリバイ作りの方法を考え、誰も傷つかないように空砲を用意し、何度も銀行を訪れて、現地の様子を確認するなど念入りに計画する。
 
途中、ウィリーがある失敗をして、計画は失敗しそうになるが、なんとか襲撃を成功させたシーンは、(犯罪なのだけど)嬉しいとさえ感じてしまう。
 

冷静になってみると、残酷な話。

 
本編はコメディ要素と、ちょっと感動する要素とが混ざった素晴らしい出来で文句の付けようもない。3人がなぜ銀行強盗なんて計画を立てるまでに追い詰められてしまったのか、企業年金が停止することが3人にとってどれほど大きいことなのかという説明もしっかり挟まれるので、「もっとなんとかなったでしょ…」っていうような、違和感とかはあまり感じない。
 
視聴後に少し冷静になってみると、これまで身を粉にして働いてきた会社からあっさり見限られて、これまで働いてきた成果である企業年金が受け取れなくなるという展開、これってものすごく残酷な話だよね、となる。
 
日本でも「高齢者vs若者」みたいな世代間対立みたいなことをやたらと煽る人がいるけれど、高齢者が受け取っている年金が、彼らの生命と生活を支えていることには目を向けなきゃいけない。彼ら彼女らは、彼ら彼女ら自身の人生を必死に生きて、いまは現役を退いている。そういう人たちに支払われる年金を減らせとかなくせというのは、数字しか見ていない暴論だよなぁと。それに、今若者である人たちも、やがて高齢者になるんだよ…。意外とあっという間に。
 
ジーサンたちには安らかな老後を送ってほしかった。
銀行強盗なんて考える必要がないような安らかな老後を。
 

でも余計なことを考えずに見てほしいコメディ。

 
とまぁ、余計なことを考えてしまうのは、序盤で語られる3人の悲惨な状況に感情移入してしまうから。
 
普通にコメディとしてこの映画を見れば、ジーサンたちの行動を見て笑い、ジーサンたちの心情に心がリンクして泣き、そして爽快感のあるラストを迎えることができることは間違いない。なので、この映画は絶対におもしろい。ぜひ見てほしい、ジーサンたちの最後の反攻作戦を。
 
ジーサンたちに幸あれ。